ヘルペスという病気 -2010年2月19日掲載-

ヘルペスとは、単純ヘルペス(口唇ヘルペス・性器ヘルペス)、水ぼうそう(水痘)、帯状疱疹のことを指し、ウイルスが原因です。

帯状疱疹は、体の広範囲に帯状の赤い小さな水ぶくれが出るもので、目や耳のまわりに出ると、角膜や聴覚に障害が残ったり、顔面神経に麻痺が残ることがあります。

重症の場合は入院して点滴治療が必要ですが、中等度の場合は抗ウイルス薬の内服治療が行われます。従来の薬は服用回数が1日5回でしたが、最近は1日3回で良いものが開発され、服用しやすくなりました。

痛みがひどい場合は痛み止めの内服薬(非ステロイド性消炎鎮痛薬)が、神経麻痺にはビタミンB12製剤などが使われます。

口唇ヘルペスは「かぜの華」や「熱の華」などと呼ばれ、かぜをひいた時、紫外線を長時間浴びた時、疲労やストレスがたまった時などに引き起こることが多いようです。症状としては、初めに口の周りに違和感、かゆみ、ほてりなどが現れ、その後赤く腫れて、小さな水ぶくれとなり、それが1箇所に固まります。

そのまま放っておいても10日から2週間位でかさぶたができて自然に治りますが、抗ウイルス薬を使用することで治癒が早まり、不快な症状(チクチク・ピリピリ感)が軽減されるので、できるだけ早い時期に治療を始めると良いでしょう。抗ウイルス薬の塗り薬もあるので、1日2回水ぶくれに塗布すると効果的です。

ただし、一度感染すると治った後もウイルスが体の神経の中にひそんでいるので、免疫力や体力が落ちている時に繰り返し発症します。ヘルペスの症状が出ないようにするためには、日頃から十分な休息・睡眠をとり、栄養バランスのとれた食事と適度な運動で、免疫力と体力を保っておくことを心掛けましょう。