抗菌薬の1日の服用回数が1回だったり、3回だったりすることを疑問に感じた事はありますか?
ほとんどの抗菌薬は、服用すると小腸で吸収され血液中に入り、病気の原因となる細菌を殺したり、増殖を抑えたりします。菌と接触する濃度が高いほど効果が高いものと、接触している時間が長いほどよく効くものがあります。
前者は1日量が同じであれば1日1回で服用する方が適しています。また、このタイプは、菌に接触した後、抗菌薬を除いてもしばらく菌の増殖抑制作用が持続するものが多いのです。こういった考えから、以前1日3回服用されていたレボフロキサシンは、現在1日1回用いられています。
一方、後者のタイプは、持続した抗菌作用を持たないため、1日1回よりも3回に分けて服用した方が高い効果が得られます。
抗菌薬は、細菌に対して有効性の高い薬剤を、感染部位に到達するために十分な用量で服用する事が大切です。 最近、たった1回の服用で効果が1週間持続するように設計された抗菌薬が発売されるなど、抗菌薬をより適正に、かつ効果的に使用するための製剤的な工夫もなされています。
さらに、慢性的な炎症が原因で起こる耳、鼻や呼吸器の疾患に対して、少量の抗菌薬が長期間処方される事があります。その作用機序はよく分かっていませんが、本来の抗菌作用ではなく、粘液分泌抑制作用や、抗炎症作用などが考えられています。
抗菌薬を処方された場合決められた間隔で処方日数分服用しないと、菌を殺すために十分な効果を得る事が出来なくなり、治癒が遅れたり抗生剤の効かない耐性菌が生まれてしまう事もあるので注意が必要です。
お使いの抗菌薬について不安や不明な事があれば、医師又は薬剤師に相談してください。