むずむず脚症候群 -2013年7月18日掲載-

むずむず脚症候群は足の裏やふくらはぎ、太ももに「虫が這っているような感覚」や「むずむず感」「ほてり感」などの不快感があり、じっとしていられなくなる病気です。

症状は、横になっているときや座っているときなど、じっとしているときに起こり、多くは夕方から夜にかけて強くなるため不眠や日中の眠気の原因となります。
なぜ起こるのかは、まだよくわかっていませんが、遺伝性、鉄の欠乏または代謝異常、脳内のドパミン神経障害などが 関与している可能性があると言われています。

原因となる疾患がある場合には、その治療を行います。基礎疾患がなく軽症の場合、多くは日常生活の改善で解消されます。
例えばカフェインやアルコール、タバコは症状を悪化させたり睡眠を妨げることがあるので、特に夕方以降の摂取を制限します。
また軽めの運動や、ストレッチやマッサージなどで筋肉を適度にほぐすのも効果的です。

薬物療法には飲み薬と貼り薬があります。
貼り薬は24時間効果が持続するので昼間の症状にも有効です。
また飲み薬は、てんかん発作を抑える薬やパーキンソン病を治療する薬が使用されます。
治療を受けるときは、睡眠障害を専門としている医療機関や神経内科などでご相談ください。

むずむず脚症候群で問題となるのは、脚の不快感や不眠だけではありません。むずむず脚症候群の患者さんは交感神経の活動が活発になっているため、血圧が高くなったり脈拍が増える傾向があり、心臓や脳血管に関係する病気のリスクが高まると言われています。
さらに、不眠や日中の活動性の低下から心の病気のリスクも増大することがわかっています。このことからも、早めの治療が大切と言えます。