薬疹について -2012年12月20日掲載-

今までに、お薬を飲んでじんま疹がでた、という方もおられるのではないでしょうか。今回は薬疹についてお話させて頂きます。

薬疹は免疫が関係する薬物過敏症で、薬やその薬が体内で分解されてできた物質が原因となり、皮膚や粘膜に起こるアレルギー反応の一種です。多くの場合、再現性が見られ、最初に比べ2回目以降は症状が激しくなります。一般に薬を使い始めてから1~2週間の感作期間(その薬に反応するリンパ球や抗体ができる期間)を経て発症します。

薬を飲んで30分程の間に起こるじんま疹には、即時型アレルギーが関係しており、酷い場合は血圧低下や呼吸困難を起こすアナフィラキシーショックに進むこともあり注意が必要です。

また、薬を飲んで半日~2日後に起こる遅延型にはいくつか型がありますが、特に発熱や粘膜のただれを伴うものに重症例が多く「薬剤性過敏症症候群」と命名され注目されています。発生頻度は千人~1万人に1人で、原因となる薬も比較的、限られています。抗てんかん薬、痛風治療薬、サルファ剤、不整脈治療薬、抗生物質などで見られ、市販のかぜ薬でも起こることがあります。

通常の薬疹とは異なり、薬の服用後すぐではなく2週間以上あとに発症することが多く、中止後も何週間も症状が続き、入院治療がしばしば1ヶ月以上かかるとされています。皮膚の広範囲が赤くなる、38度以上の高熱、のどや眼の痛み、全身のだるさ、食欲低下、リンパ節が腫れるなどの症状が合わさったり、急に酷くなるときはすぐに医師、薬剤師に連絡して下さい。

この時お薬手帳を持参して、服用した薬剤の種類やその服用量、日数、服用開始からどのくらい経っているかなど、なるべく詳細に伝えることが重要です。