高血圧と管理目標 -2013年11月21日掲載-

血圧が高いと指摘を受けた経験のある方は少なからずおられると思います。
また、他の方よりも自分の方が血圧は低いのに服用している薬が多いとか、自分ではちょうどよいと思っているのに医師から高いと言われた、という方もおられるのではないでしょうか。

では、高血圧とはどの程度の血圧を指すのでしょうか。
日本高血圧学会の示す高血圧治療ガイドラインでは、収縮期血圧(=上の血圧)が120未満かつ拡張期血圧(=下の血圧)が80未満を「至適血圧」、上が130未満かつ下が85未満を「正常血圧」、上が140以上または下が90以上を「高血圧」と定めています。高血圧と診断されると、食事療法や運動療法と並行して降圧薬による薬物治療が行われます。
治療の目標値は患者様個々によって異なり、例えば心血管疾患や脳血管疾患になったことのある方は目標値を低めにする一方、かなり高齢の方は緩めに設定されることもあります。

但し血圧は日内変動が大きく、更に日内変動に個人差もありますので、自分がどんなタイプか知ることも大切です。例えば、本来夜中に下がるべき血圧が下がらない方は、合併症の危険が高いと言われていますので注意が必要です。
健康診断なども含めて一度でも血圧に関する指摘を受けたことがある方は、寝る前と早朝起きてすぐの血圧を測ってみるとよいでしょう。

最近、一部の降圧薬で不祥事が報道されたためお薬に不信感をお持ちの方もおられると思いますが、降圧効果や安全性に問題があったわけではありません。さらに近年では効果・安全性の高いものが続々と開発されてきています。
降圧薬は毎日決まった時間に服用することで十分な効果が得られますので、お薬が処方されている方はきっちり服用しましょう。