天然痘ワクチン、サル痘にも=接種対象の拡大検討―厚労省部会

厚生労働省の専門部会は29日、KMバイオロジクス(熊本市)が製造販売する天然痘ワクチンについて、欧米などで報告が相次ぐ「サル痘」の予防を目的とした使用も認めることを了承した。同省は早ければ来週にも正式承認する。研究目的で医療従事者への接種を進めており、対象者の拡大も検討する。

厚労省によると、同ワクチンは事前接種だけでなく、感染者との接触後に打つことも可能。米国の臨床試験(治験)では、サル痘ウイルスの感染や発症などを防ぐ中和抗体が確認されたという。

政府はテロ対策として天然痘ワクチンを備蓄しており、厚労省によると、同ワクチンによるサル痘の発症予防効果は約85%に上るとされる。世界保健機関(WHO)は、医療従事者ら患者と接するリスクの高い人への事前接種を推奨している。

時事通信社

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